第 6 集 (2004年09月)

 

□ 釜山へ青少年囲碁使節
  成果上げ帰国 来年度本格実施へ

   当協会は日本棋院広島県本部の協賛で、広島県内の囲碁を学んでる青少年を 8月 20日
(金)から 24日(火)までの 5日間、囲碁使節として初めて釜山広域市に派遣しました。釜山
入りしたのは青少年 14人とその家族や日本棋院関係者らを含め総勢 31人。一行の殆んど
にとって初めての韓国旅行でしたが、囲碁を通じた友好交流の使命を立派に果たしました。
  釜山広域市の韓日親善協会や囲碁協会も今回の交流を高く評価し、国交回復 40周年の
来年には釜山側から当地の青少年を迎えて交流事業を本格実施することで合意しました。
  以下は使節団を引率した当協会の浅井事務局長の報告と参加者の感想です。

8月20日(初日)

    広島国際港 2F出発ロビーで出発式。見送りの日韓協会 玉木専務理事、日本棋院
県本部 浅本理事の激励を受けて釜関フェリー「銀河」に乗船。アリランのメロディと共に
出港した。
  夕食後、子どもたちは持ち込んだ携帯碁板で対戦に熱中するするものと、船内の
ゲームセンターに入りびたりの組に分かれ夜遅くまで元気な声が聞えた。
  日本海に入った頃、台風の余波で船は大揺れ。ベッドは傾き、旅行カバンが部屋の
中をころがる激しさで、殆んどの人は眠れぬ夜を過したようだ。

 

期待と不安・・・出発手続きをする
「囲碁使節」(8月20日)

定期フェリー「銀河(ウンハ)」で
広島港を出発(8月20日)

船中で早速 対局
(8月20日)


8月21日(2日目)

    定刻の 9時、釜山国際港に着岸。韓進観光のガイド李承美さんの案内で 韓国の
奈良・京都と云われる慶州観光へ。天馬古墳、仏国寺、東洋最古の天文台などの史跡
をまわった。
  夜は釜山韓日協会の李鍾均会長ら 4人を迎えて当協会の夕食会。焼肉を頬ばり
ながら懇親を深めた。
  李会長は広島側の役員 4人を二次会へ招待。崔副会長の北島三郎のヒット曲は、
プロ並の上手さ、囲碁もさることながらカラオケ文化のレベルも高いようだ。

 

古都 慶州を観光
(8月21日)

当協会主催の夕食会
(8月21日)

慶州で「韓食」に舌鼓
(8月21日)

 

   

 

釜山韓日協会 李鍾均会長(左)

 


8月22日(3日目)

    朝から無情の雨だが、午前中は予定通り釜山市内観光に。龍頭山公園、国連墓地
博物館を見学する。今日は釜山MBCのTVクルーが密着取材。ガイドさんが「インタ
ビューツアーですね」と笑った。午後は 2時から釜山の碁会所「中央棋院」で釜山の
子ども 10人と自由対局。対戦相手を交替しながら夕方 5時まで親善囲碁を楽しんだ。
広島側の勝率はかんばしくなく、小学校 1年生のA君がうしろを向いて眼をおさえる
光景も。保護者のお母さんもとび入りで中央棋院の高段者から指導碁をうけた。また、
日本棋院の四方治雄(元中国本因坊)も韓国側参加の最高位の小6の少年(六段)と
対局した。

 

一行を釜山MBCが
密着取材

「囲碁は言葉のいらない対話」
インタビューの四方治雄さん

釜山MBCの取材した模様は
10分のニュース企画で放送


本格対局を前に親善試合
(8月22日)

四方元本因坊(右)も認める
「打ち手」がズラリ・・・

釜山中央棋院 李誉南代表


8月23日(4日目)

    最終日の今日が釜山側との正式対局。雨の残る中、釜山囲碁協会へ向う。10時
前 双方のスタッフが紹介され、対局式で 李鍾均会長が 「囲碁で韓日の大きな架け橋
をつくって下さい」と挨拶。広島側から四方治雄氏が 「囲碁は言葉のいらないコミュニ
ケーション、仲良くなって帰りたい」と挨拶した。対局は双方から同実力程度の 14人
づつ 28人が同じ相手と 2回づつ行った。成績は全 28局中 広島側は 6勝 22敗。
釜山側の圧勝だったが、日本の中学生全国大会 6位の実績をもつ吉川一君は 2勝
してひとり気をはいた。終りに記念品の交換、記念撮影し、会場を移して、バイキング
料理での懇親パーティは盛り上がった。
  李会長は「来年以降も 8月下旬に日程を固定して継続発展させよう」と話し、広島
側の交流事業の継続の提案に応えた。帰りの船内で、参加の保護者、子どもたちの
ほぼ全員が次回もぜひ参加したいと話していた。

 

公式対局(8月23日)では
14人が各 2局打った

 

対戦成績は広島側の
6勝22敗・・・


歓迎昼食会
(8月23日)

李鍾均韓日親善協会会長が
歓迎あいさつ(8月23日)

「来年は広島で・・」再会を約し
記念撮影(8月23日)



感想文(尾道市立日比尚小学校 2年 飯田 純也)

  ひろしま・ぷ山青少年いごこうりゅう

  いごで、日かんこうりゅうのために、かん国へ行きました。なつ休みになってから
ずっと、とても楽しみにして、かん国語を少しべんきょうしたり、かん国の本を見たり
しました。
  そして、いよいよ出ぱつのふねにのりました。みんなと友だちになって、いごを
うったりして、とても楽しかったです。
  朝、かん国のけいしゅうについて、かん国のりや、やきにくや、ビビンパを食べ
ました。とてもおいしかったです。
  プサンのきいんに行って、ぜんぱいしました。キメ手をうたれてまけました。くやし
すぎました。とてもつよかったです。
  らい年は、かん国の子どもたちがひろしまに来るので、そのときはぜったいかちたい
です。ぼくは、まい年、いごがうちたいです。



感想文(広島市立牛田小学校 1年 坂倉 健太)

    かんこくにいったよ。みんなはんぐるもじだったからわからなかったよ。
  いごをやったよ。かんこくはつよかったよ。
  ほんばんでは、1しょうできてうれしかった。



感想文(広島県立安芸南高校 1年 天方 輝樹)

  日韓囲碁交流に参加して

  初めての韓国に、僕はひどい船酔いの状態で入国しました。こんな状態で碁が打て
るか不安でしたが、次の日には戻ったのでよかったです。
  韓国の人とは、インターネットで時々打っているので、なんとかなるかなと思って
いたけど、実際対局してみて、想像以上に強かったので驚きました。オープン戦では
負けてもまだそれほど差はないと感じましたが、公式対局の相手は、さらに強かった
です。
  帰りの船の中で、北山さん、四方さんに打ち直しをしてもらって、普通ならこんな
手を打たないのにと思うような手がたくさんありました。いつも通りの碁が打てず、
内容もあまり良くなかったのが残念です。
  釜山には、囲碁塾が六十ヵ所以上あるということですが、どんな指導を受けている
のか知りたいです。碁には負けたけど、いろいろと交流できてよかったです。今回の
交流は、とてもいい勉強になりました。
  来年、韓国の人達が来る時には、もっと強くなって対局できるようがんばりたいで す。



感想文(東広島市立八本松中学校 3年 小西 寛和)

  広島・釜山青少年囲碁交流事業に参加して

  今回、僕は広島・釜山青少年囲碁交流事業に参加して、韓国の子供の囲碁の
レベルの高さに驚きました。
  韓国は、世界で一番碁が強いので、僕が勝てるかどうか不安でした。
  三日目の一局目は、釜山中央棋院の4段の子と打ちました。相手は、考える時間が
長く、僕はけっこう奥深くで読んでいるんだな」と思いました。局面は、互角に進んで
いましたが、損の分かれを選んで、ミスをしてしまいました。最後まであきらめずに打ち
ました。結果は、5目半負けでした。けっこう長い対局で疲れました。広島から参加した
メンバーはほとんど勝てませんでした。もう一局違う人と打ちましたが、見たことも
ない定石を打たれ、投了してしまいました。
  釜山で囲碁をやっている多くの子供達が囲碁塾に通っています。しっかりとした教育
を受けているので、日々強くなっているのだと感じました。明日は、自分の得意な布石
で勝負しようと思いました。
  そして、四日目の朝に釜山棋院で、二局続けて打ちました。相手は小学生で昨日
打った人より数段上の実力を持っていました。二局とも厚みを張った打ち方をしました
が厚みを生かすことができず、負けました。
  釜山で残念ながら一勝も出来ませんでした。しかし、韓国の子供と碁を通じて、親交
を深めることが出来ました。また、船中やホテルでは、広島のメンバーと碁をたくさん
打ったり、話したりして、とても楽しかったです。
  来年は、釜山から囲碁交流に来ることになっています。来年こそは、対等に勝負
できるように棋譜並べや碁の勉強をがんばりたいです。



感想文(東広島市立西条小学校 2年 黒川 真嗣郎)

  日韓親善試合

  はじめてのフェリーで一ばんすごし、プサンこうへつきました。
  ドキドキと、心ぞうが鳴っているのが聞えます。
  「あぁ、もう日本じゃない、韓国なんだな。」と思いました。
  あまり、日本とかわっていません。だから、韓国も囲碁がさかんだし、今回のような
試合が出来るのだなと思いました。
  試合は、本戦は、一しょう二はいでした。とってもくやしかったです。でも、うれしい
ような気もしました。
  ぼくは、ぜったいこのつぎは、かつようになるときめました。いままでい上に、一生
けんめい囲碁をがんばっていきたいと思いました。
  今回の韓国行きは、ぼくにとって、とっても楽しかったです。。



感想文(福山市立南小学校 4年 福嶋 一矢)

    ばくは、この日韓交流会に参加して、たくさんの思い出ができました。
  結団式で、少しだけ韓国語を教えてもらえて楽しかったです。その日のテレビ放送
を見て、おじいちゃん、おばあちゃんが、とても喜んでくれたのもうれしかったです。
  ぼくは、初めて韓国に行きました。釜山は、思っていたよりも、とてもにぎやかな所
でした。ハングル文字は全然解らないけど、日本に似ているかなと思いました。
  フェリーの中では、行きも帰りも、友達と囲碁を打って、観光するバスの中では、
いつもトランプをして、とても楽しかったです。ホテルに泊った時も、お兄ちゃんたち
は夜遅くまで囲碁をしていたと聞いてびっくりしました。
  韓国の子は、日本の子とは打ち方が違って、やりにくかったです。結局、僕は、一勝
もできずに、とても悔しかったです。今度は、勝ちたいです。僕は、これからも囲碁を
続けて、うまくなって、韓国の子に負けないように頑張りたいです。
 この日韓交流会に参加して、たくさん友達ができたし、囲碁も上達したなと思います。
来年はもっと強くなって、また参加したいです。友達にまた会えるのも楽しみにしています。



感想文(呉市立横路小学校 6年 岡本 健一郎)

  韓国・釜山との交流を終えて

  今回、韓国の碁のレベルの高さに驚きました。僕は交流戦を四局うちましたが、まっ
たく歯がたたず、一勝もできませんでした。来年は、韓国の人たちが広島に来ます。
その時までに、もっともっと強くなって、来年、相手が来られた時には、僕達のほうが
相手よりも強くなりたいです。
 今回、観光では、慶州や釜山の名所がたくさん見れて、良かったと思うし、チャガルチ
市場も、いろんな物を見れて、買えて、よかったと思います。
  が、そのぶん碁があまりできなかった、と思います。碁による交流なんだから、観光
にたくさんの時間を使うよりも、たくさん碁をうつほうがいいと思うので、碁をうつ時間
を増やしてほしいです。