□ 釜山・慶尚南道チームに95勝67敗
青少年囲碁交流 猛暑の広島で熱戦
夏休み恒例の広島韓国青少年囲碁交流が8月12日(月)と13日(火)の2日間、広島市で開かれました。9回目を迎えた今年の囲碁交流には釜山から20名が参加。ここ数年不参加が続いていた慶尚南道からも8名。親善協会や協会の役員を含め総勢40名が広島を訪問しました。
迎える地元勢は広島県をはじめ山口県、島根県などから参加した30名。中には実力を全国で知られる西村僚太郎七段(中3・山口)、坂倉健太六段(高1・広島)らそうそうたる顔ぶれがそろい、連日30度を超える猛暑日でしたが、暑さにめげず盤上でも熱い戦いを繰り広げました。
<1日目(8月12日)> 昼すぎ下関からバスで広島についた韓国チームの一行は西区のホテルから中区の国際会議場へ。レストランで食事をすませたあと同会議場地下の会議運営事務室で広島勢との自由対局に臨みました。付添いの囲碁協会役員や父母らが見守るなかパチリ、パチリという碁石の音が響いて、囲碁対局の独特の雰囲気に包まれました。
対局はまず、同じ実力の者同士の「互先」で始まり、2局目から段・級によってハンディをつける「ハンディ戦」が行われました。また、同じ会場では日本棋院のプロ四段の山本賢太郎棋士による指導碁があり、山本プロがアマチュアの高段者二人を同時に相手にしながら軽くねじ伏せる場面もありました。
この日の夕方には中区のメルパルク広島で歓迎夕食会が開かれ、広島県日韓親善協会や日本棋院広島県本部の関係者を含めおよそ90名が懇親を深めました。
<2日目(8月13日)>この日は午前中、西区の宿舎近くの西区民センターで正式対局を行いました。前日の自由対局での出場選手の棋力と対戦成績をもとに日本棋院県本部の浅本博理事長、四方治雄指導員らが慎重に対戦相手を選び、日韓両国の選手がそれぞれ2局をうちました。その結果、55戦で日本側の29勝26敗とわずかの差ながら広島側が制しました。
また、前日の自由対局を含めますと日本側の95勝67敗でした。
この囲碁交流を試験実施した10年前の2004年には、釜山に遠征した広島チームは圧倒的な差で敗れています。その後、回を重ねるにつれ韓国とタイかそれ以上に戦えるようになったのは囲碁交流の成果ともいえそうです。これについて関係者は「日本側の参加者に伸び盛りの実力派中高校生がふえたのと、韓国では逆に受験準備などに追われ青少年の囲碁人口が減ったことが背景にありそうだ」と指摘しています。
今回の青少年囲碁交流はこれまで毎回参加していた大邱広域市からの参加が「難しくなった」という連絡があったため、急きょこれまでに実績がある慶尚南道に打診。釜山韓日親善協会の李鍾均会長の後押しもあって慶尚南道からの参加が実現しました。
来年は記念すべき第10回を迎えます。8月上旬に韓国に遠征。釜山のほか大邱もしくは慶尚南道で囲碁交流を予定しています。全国でも珍しいこの企画がここまで続いてきましたのも日本棋院広島県本部をはじめとする関係の皆さまのご協力のたまものです。改めてお礼を申し上げますとともに、今後の変わらぬご支援をお願い申し上げます。