□ 新会長に青木暢之・中国放送社長を選出
広島県日韓協が総会(理事会)6月5日
広島県日韓親善協会は6月5日(水)、広島市中区のANAクラウンプラザホテルで2013年度の通常総会と理事会を開きました。席上、安東善博会長が退任を表明し、これを承認。後任の会長に青木暢之中国放送社長を選びました。
青木氏は1946年生まれの67歳。広島大学教育学部を卒業後、中国新聞社入社。同社専務を経て2008年に中国放送専務。2011年6月から中国放送社長をつとめています。会長就任にあたって「チョンチョニ、チョンチョニ、ハナシ、ハナシ(ゆっくり、ゆっくり、課題に向き合いましょう)」と述べ、特に若い世代の交流に力を入れることを約束しています。退任した安東前会長は2008年から5年間広島県日韓親善協会の会長をつとめ、広島と韓国の青少年交流や在広韓国留学生支援などに力を入れるとともに、「世界陸上」が開かれた2011年には広島市の姉妹都市・大邱広域市にチャーター便による市民訪問団を派遣。同市の韓国日本協会と姉妹提携するなど協会の活動に貢献しました。退任後は名誉会長に就きました。
この日の総会(理事会)では2012年度の事業報告と決算、2013年度の事業計画と予算を原案通り承認しました。
また、役員人事では韓国民団広島県本部の沈勝義団長の副会長就任と広島韓国商工会議所の金正洙会長など4名の理事就任を事後承認。ほかに新しくJA広島の小田政治常務理事を理事に選任しました。
同日承認された2012年度事業報告と決算、2013年度の事業計画と予算、役員人事は下記のとおりです。
(2012年度事業報告)
当年度の日韓(韓日)関係は前年の東日本大震災の影響で韓国から日本への旅行客が落ち込むなど、両国間の人的往来に変化が見られたものの、ほぼ順調な滑り出しでした。しかし、年半ばの李明博大統領(当時)の竹島(独島)上陸や天皇訪韓をめぐる発言で関係は一気に冷え込みました。両国で新政権が誕生した後も歴史認識などで政府間の関係に改善が見られないのは残念です。一方で両国間の交流事業が中止追い込まれたり延期されたりしなかったのは、これまでの市民交流の積み重ねの成果といえるでしょう。当協会も予定していた事業を順調にすすめることができました。
<2012年>
4月26日(木) 「日韓親善経済講演会」(広島銀行銀山町ビル)協力
5月 3日(木) 広島フラワーフェスティバルで「大邱の日」セレモニー
および「韓国・大邱マダン」ブース展開(~5日)
5月31日(木) 日韓合作映画「白磁の人」上映(八丁座)協力
6月 4日(月) 「広島国際交流サミット」参加
6月 7日(木) 理事会・総会・「会員の夕べ」(ANAクラウンプラザH)
6月28日(木) 企画委員会経済交流部会
8月 5日(日) 韓国人原爆犠牲者慰霊祭(会長参列)
「広島市・大邱広域市青少年交流事業」大邱の21名来広。
同事業歓迎夕食会(広島文化交流会館)
8月 6日(月) 同事業平和祈念式典参加。ホームステイ。指導員との懇談会。
(社団法人)韓日協会から青少年10名来広(~10日)
活動を取材DVDに収録
8月 7日(火) 「広島韓国青少年囲碁交流」広島から21名出発(~11日)
8月 22日(水) 韓国総領事館・文領事送別会(安芸茶房)
9月 15日(土) 韓国グルメフェスタINマツダスタジアム後援(~17日)
10月 4日(木) 韓国総領事館「国慶日」出席
10月22日(月) 釜山韓日親善協会・李鍾均会長の「傘寿(80歳)を祝う会」
(中区かき舟広島)
11月 8日(木) 泗川市代表団 三次市訪問歓迎会(専務理事出席)
11月18日(日) 「第7回日韓(韓日)スピーチ&交流」(広島留学生会館)
12月 5日(水) 「忘年・会員の夕べ」(リーガロイヤルH)
<2013年>
1月17日(木) 広島県海外日本語教師養成研修団 来訪
2月 4日(月) 友愛ハウス留学生 来訪
2月18日(月) 大邱市・尹昭英さんら来訪 歓迎会(銀華楼)
3月19日(火) 日韓親善協会中央会理事会(東京 専務理事出席)
2012年度決算と2013年度予算
収入の部
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支出の部
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(単位 円)
特別会計(囲碁交流) 総支出 1,200,000 総支出 1,200,000 繰越金 0
(2013年度事業計画)
冷え込んでいた日韓(韓日)関係の画期的な変化が期待される中、昨年末からこの2月にかけて、両国で相次いで新政権が誕生しました。しかし、期待とは裏腹に日本の有力閣僚の靖国参拝や歴史認識の問題が火種となって韓国で日本の「右傾化」批判が巻き起こりました。あおりで外相会談が延期されるなど、首脳間の接触すら見通せない状況です。加えて米韓軍事演習に反発した北朝鮮の長距離弾道ミサイル発射や核実験をちらつかせながらの恫喝、中国との尖閣諸島をめぐる軋轢もあって、東アジア情勢は極めて不安定です。
国内では「在特会」(在日特権を許さない会)などによる在日韓国人に対する過激なデモが東京・新大久保や大阪・鶴橋などで続いています。従軍慰安婦をめぐる要人発言も物議をかもしました。
このような中、私たちは地道な民間交流を続け、隣国の文化に触れることで、政治の動きに左右されない市民同士の信頼の絆づくりにつとめます。特に若い世代の交流に力を注ぎます。広島市教育委員会とともに毎年実施している「広島市・大邱広域市青少年交流事業」は今年、22名が7月に大邱を訪れます。
9回目を迎える「広島韓国青少年囲碁交流」はこの8月、釜山・大邱から30余名を招いて広島の青少年と対局します。
5月のフラワーフェスティバルでは大邱広域市から金範鎰市長を初め89名の訪問団を迎え盛大に「大邱の日」記念イベントをおこなうとともに訪問団のメンバーと地元の各界の人達が交流しました。今年度予定している主な事業は実施済みを含め次のとおりです。
<実施済み事業>
4月13日(土)韓国人留学生花見会 支援
5月 3日(金) 広島市の姉妹都市・大邱から89名参加「大邱の日」セレモニーおよび「韓国・大邱マダン(ひろば)」開設(~5日)
<予定事業>
7月26日(金)「広島市・大邱広域市青少年交流事業」(大邱~31日)
8月 8日(木)「広島韓国青少年囲碁交流」(広島~9日)
10月下旬(土、日)「広島フードフェスティバル」(広島城跡公園)
11月 9日(土)「スピーチ&交流」広島大会 西中国大会
12月上旬 「忘年・会員の夕べ」(リーガロイヤルホテル)
5月末現在の会員数は個人233名 法人93社(団体)です。引き続いて会員の増強につとめます。ご協力をお願いいたします。
(役 員 人 事)
特別顧問 | 辛 亨 根 | 駐広島韓国総領事館総領事 | |
〃 | 湯崎 英彦 | 広島県知事 | |
〃 | 林 正夫 | 広島県議会議長 | |
〃 | 松井 一実 | 広島市長 | |
〃 | 種清 和夫 | 広島市議会議長 | |
〃 | 小村 和年 | 呉市長 | |
〃 | 神田 隆彦 | 呉市議会議長 | |
〃 | 深山 英樹 | 広島商工会議所 会頭 | |
名誉会長 | 堀 口 勲 | 元会長 中国放送 相談役 | |
〃 | 金井宏一郎 | 元会長 中国放送 相談役 | |
〃 | ※ | 安東 善博 | 前会長 中国放送 相談役 |
常任顧問 | 朴 義 鍾 | 民団広島県本部 常任顧問 | |
〃 | 朴 昭 勝 | 民団広島県本部 常任顧問 | |
〃 | 金 孝 烈 | 広島韓国商工会議所 常任顧問 | |
〃 | ※ | 権 五 源 | 民団広島県本部 常任顧問 |
〃 | 平岡 敬 | 元広島市長 | |
〃 | 大曽根 哲夫 | 前広島県議会副議長 |
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※印は新任 (理事は50音順 敬称略) |
□ 240名参加で盛況 日韓協会「会員の夕べ」
広島県日韓親善協会は6月5日(水)の通常総会のあと、恒例の「会員の夕べ」を、広島市中区のANAクラウンプラザホテルで開きました。会員、準会員のほか駐広島韓国総領事館、広島県、広島市の関係者や在広韓国人留学生など240名が参加しました。
初めに、この日就任したばかりの青木暢之会長があいさつ。「日韓関係は難しい局面にありますが、民間としてできることに全力を尽くします」と述べました。続いて来賓としてあいさつに立った駐広島韓国総領事館の辛亨根総領事、広島県の中下善昭副知事、広島市の佐々木敦朗副市長(当時)が退任した安東前会長の功績をたたえ、青木新会長への期待を語りました。このあと、広島市の種清和夫議長の発声で乾杯。会場には広島県日韓協のボランティアスタッフが作った韓国料理も用意され、長い行列ができる人気でした。
この夜のアトラクションは流行のK-POP。5月のフラワーフェスティバルの韓国総領事館ステージで最優秀賞と優秀賞を獲得した矢部 修さんと石橋 豊さんが得意の歌を披露しました。初めにステージに立った県職員の石橋さんはジェスチャーたっぷりに「カンナムスタイル」と沖縄演歌「なだそうそう」を熱唱。健康食品会社を経営する矢部さんはK-POPの「ムジョコン」(無条件)と「ひろしまかくれんぼ」をじっくり聞かせました。会場から広島大学の女子留学生が飛び入り参加し、合いの手をいれて盛り立てました。
このあと、アシアナ航空提供の大福引き大会。マイレージキャンペーンのひとつで、マイレージクラブ入会者の中から福引きでパリ、ハワイの往復航空券やパソコン、旅行バッグ、腕時計など豪華賞品が当たるお楽しみ企画です。
アシアナ航空広島支店の姜 敏 圭支店長が抽選箱から取り出した申込みカードの名前が読み上げられるたびに、会場から歓声やため息がもれていました。ちなみにハワイ行き航空券は日韓親善協会会員の唯山重夫さんが獲得しました。
続いて、会員の大川和男さんが呼びかけてアリランの大合唱。参加者が次々にステージに上がり、青木新会長らを囲んで和気あいあいのフィナーレでした。
あいさつに立った民団広島県本部の沈勝義団長は「日韓の関係は今大変厳しいが、今日の会場にきて意を強くした。親善協会を中心に民間から親善の輪を広げよう」と締めくくりました。