□ 平和公園に友好のメロディー
市長・交響楽団など150名迎え「大邱の日」
(2015年5月)
広島市と大邱広域市の姉妹都市提携を記念する「大邱の日」のイベントが今年も5月3日から5日までのひろしまフラワーフェスティバルを舞台に開かれました。今年のゴールデンウィーク後半は3日が雨にたたられましたが、4日の午後から5日にかけては五月晴れの好天に恵まれ、人出は3日間で合わせて159万8,000人。
4日の「大邱の日」セレモニーには1,000近い市民が集まったほか、「大邱の日」実行委員会が設けた「韓国・大邱マダン(ひろば)」も大邱の医療観光のPRや韓国服の試着コーナー、韓国の食のコーナーなどが盛況でした。
姉妹提携18周年の今回は大邱広域市のクォンヨンジン市長が大邱市立交響楽団の102名などともに総勢150名でチャーター便で訪れました。大邱オーケストラの演奏会は4日、「大邱の日」セレモニーと原爆ドーム向かいの野外ステージでもおこなわれましたが、心配された雨もあがり新緑の平和公園に大邱との友好をアピールするメロディーが響き渡りました。5日に国際会議場フェニックスホールで開かれたフルオーケストラによる演奏会には満員の聴衆1,500人が迫力一杯の演奏を楽しみました。
①「大邱の日」セレモニー(5月3日カーネーションステージ)
夜来の雨も上がって平和公園のメインステージ・カーネーションステージでは3日午後1時から「大邱の日」を記念するセレモニーが開かれました。ひろしまメッセンジャーの崔宰源さんと渡邊優子さんが司会をつとめ、初めに畑矢健治実行委員長(青木会長が療養中のため代行)が開会の言葉を述べました。続いて広島市の松井一実市長が大邱代表団を歓迎し、「姉妹提携18年でお互い良い隣人になった。隣人同士仲良くすることが両国の友好につながる」と述べました。これに対して大邱広域市のクォンヨンジン市長が「広島は原爆の被爆都市。大邱出身の被爆者も多い。また大邱は韓国戦争の舞台ともなり、広島と戦争の痛みを共有している。格別な友情を感じる。(今回の訪問では)美しい音楽を広島に届けたい」とあいさつしました。また、今回の大邱市立交響楽団の来広の橋渡し役をつとめた駐広島韓国総領事館の徐張恩総領事も来賓を代表して祝辞を述べました。
このあと大邱市立交響楽団の弦楽器を中心とした32名がアンサンブル演奏。お馴染みの「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」や「メヌエット」など3曲を披露し、詰めかけた1,000人近い市民を楽しませました。
②「韓国・大邱マダン(ひろば)」(5月3日~5日平和大通り緑地帯)
今年は大邱広域市が担当の職員を派遣し「漢方」などを取り入れた医療観光のPRコーナーを設けました。薬令市で知られる大邱は漢方薬の一大基地。これを美容と健康に活用しようと、市では医療観光に力を入れています。PRコーナーでは大邱と医療観光が広島でどれだけ知られているか、についてアンケート調査をしたり、ビデオ映像の放映や資料配布をしたりしました。
マダンで例年人気の韓服の試着コーナーは今年も親子連れなどが行列をつくり順番をまちました。着替えが終わるとお父さんやお母さんが わが子の晴れやかな姿をケータイのカメラに収めていました。
韓国の食のコーナーも相変わらずの人気。メニューは例年と同じチジミ、トッポギ、キムチチャーハンの3品と韓国の甘酒「マッコリ」でした。今年は4,5両日の気温が高かったせいか、一杯100円の冷たいマッコリが早々に品切れになるほどの売れ行きでした。
マダンには広島市の松井一実市長、大邱広域市のクォンヨンジン市長ら訪問団の一行もやってきてスタッフを激励しました。
③大邱市立オケのコンサート(4日・5日 平和公園 国際会議場)
今回初めて広島入りした大邱市立交響楽は4日と5日の両日、3回の演奏会を行いました。4日は「大邱の日」セレモニーでのアンサンブル演奏に続いて、夕方6時から原爆ドーム対岸、平和公園の特設ステージで野外演奏会を開きました。「日韓国交正常化50周年」「大邱の日」記念事業と銘打ったこの演奏会は広島市と大邱広域市、韓国外交部の主催。大邱の日実行委員会が協力しました。600人の市民を前に、ドームをバックにして金管・木管を中心とした40名がビートルズのお馴染みの曲やアリランなどを軽快なリズムで演奏しました。
92名のフルオーケストラによるコンサートは5日、午後2時から国際会議場のフェニックスホールで開かれました。プッッチーに歌劇「トゥーランドット」から「誰も寝てはならぬ」、「ロメオとジュリエット」から「私は夢に生きたい」、アリランほか8曲を熱演。広島交響楽団からバイオリンも加わって情感溢れる演奏に満員の観客席から感動の拍手が送られました。
④歓迎夕食会(4日19時30分~20時30分 リーガロイヤルホテル)
平和公園での野外演奏会が終わったあと、午後7時30分から中区のリーガロイヤルホテルで大邱からの訪問団の歓迎夕食会が開かれました。大邱側からはクォンヨンジン市長を含む150名の訪問団が出席。広島側からも「大邱の日」実行委員会のメンバー、韓国民団、日韓親善協会の関係者など100名が迎えました。松井一実市長の歓迎あいさつに続いてクォンヨンジン市長が「広島の皆さんに暖かく迎えていただいてうれしい。平和公園で演奏できたことが団員にも一生の想い出になりました」と感謝の言葉を述べました。
このあと日本式に鏡開きがあり「ヨイショ、ヨイショ、ヨイショ」の掛け声とともに威勢よく鏡を開きました。
会場では大邱出身の歌手・車景実さんのソプラノ独唱、大邱のお客様限定のカラオケ大会などがあり、特にカラオケを歌った大邱オーケストラの若い団員の熱唱にはヤンヤの喝采が送られて、大きな盛り上がりを見せました。締め括りは民団・沈勝義団長のあいさつとアリランの大合唱。出席者全員が手を取り合って会場を一周。広島と大邱の末永い友情を誓い合いました。
⑤(大邱)韓国日本協会歓迎会(3日18時~20時30分福屋食堂街)
今回の大邱からの訪問団の中には広島県日韓親善協会と姉妹提携している大邱市の日本協会のメンバーも含まれていました。チェウガク会長、鄭台一初代会長ら21名で、広島県日韓親善協会では広島訪問初日の3日、福屋8階のレストランで歓迎会を開きました。
<お礼>大邱広域市のクォンヨンジン市長ら150名の大デレゲーションを迎えて行われた一連の「大邱の日」イベント。当協会の畑矢健治会長代行が委員長をつとめる大邱の日実行委員会が主催または協力しました。お蔭をもちまして大邱のお客様にも喜んでいただきました。特に(大邱)日本協会・大邱商工会議所の来訪メンバーからは当協会の今後の活動の一助に、と20万円のご寄付をいただきました。謹んでご報告を申し上げます。また、韓国・大邱マダン(ひろば)の運営には実行委員会の事務局をつとめる広島平和文化センターをはじめ実行委員会のスタッフ、李菊枝さん佐々木美紀子さんら主婦ボランティア、韓国留学生ら多くの方のご協力をいただきました。心からお礼を申し上げます。